Economics For Business Administration I By Takase Koichi

Economics Glossary

MBA夜間主の授業はオンラインシラバスに公開されてないため、下記は学部のシラバス、MBAの授業は15回。

科目名 ミクロ経済学 1

担当教員 高瀬 浩一

講義概要  
ミクロ経済学はマクロ経済学とならび、 現代の経済学の中心分野を形成するものである。同時に、金融・財政・貿易・交通・労働・産業組織・公共経済・経済政策などの応用経済学のみならず、商学全般を学ぶうえでも、不可欠な知識・手法を提供するものでもある。
 この講義では、前半では「市場の効率性と家計の行動」、後半では「企業と産業」を主要なテーマとする。
講義の内容は、標準的なミクロ経済学の基礎理論にあたるものである。実際、下記のテキストの内容に即して講義を進めるので、受講者にとっては学習しやすいと思う。また、できるだけ図や数値例を使ったり、現実
の問題を取り上げるなどして、ミクロ経済学の核心部分をわかりやすく説明するように努める。
シラバス

(授業計画)
[第 1回] ミクロ経済学とは何か 
[第 2回] 市場の競争形態と完全競争 
[第 3回] 市場の需要曲線と供給曲線 需要と供給の法則
[第 4回] 需要と供給の弾力性
[第 5回] 価格規制と課税の影響
[第 6回] 完全競争市場の均衡と安定性
[第 7回] 経済余剰 消費者余剰と生産者余剰  
レポート#1
感想 経済学と経営学・ビジネスの関係
[第 8回] 競争均衡の効率性とパレート最適 宿題:市場の分析を基づいて、財を課税すればいいじゃないか(価額弾力性)
[第 9回] 市場の失敗1(外部効果)
[第10回] 市場の失敗2(公共財、共有資源)
[第11回] 情報の不完全性1(逆選択)
[第12回] 情報の不完全性2(モラル・ハザード)
[第13回] 家計の予算制約と無差別曲線
[第14回] 最適な消費決定と需要曲線の導出
[第15回] 所得、価格と消費
[第16回] 部分均衡分析の総括
[第17回] 企業の生産活動
[第18回] 効率的な生産要素の投入
[第19回] 費用関数
[第20回] 利潤最大化 企業の供給曲線
[第21回] 企業の長期行動
[第22回] 独占
[第23回] 独占と競争の比較 価格差別
[第24回] 独占的競争
[第25回] 寡占と戦略的行動
[第26回] 寡占価格
[第27回] 戦略型ゲーム
[第28回] 戦略型ゲームとナッシュ均衡
[第29回] 展開型ゲームとサブゲーム完全均衡
レポート#2
[第30回] 試験・総括

教科書  

嶋村紘輝 『新版 ミクロ経済学』(成文堂)
02550416s.jpg

参考文献  

N・グレゴリー・マンキュー 『マンキュー経済学I ミクロ編』(東洋経済新報社)

成績評価方法  
中間試験35%、 期末試験35%、 レポート・平常点30%

備考
「ミクロ経済学」は、商学部専門科目の基礎となるものであるから、 できるだけ多くの学生が受講することが望ましい。

注意:この科目は、基礎経済学を履修済でない人は履修できないし、同時履修もできない。

関連書籍

経営の経済学 /丸山雅祥/著

本の内容

ビジネス・エコノミクスを体系的に解説。競争戦略や流通・マーケティングから内部組織や組織間関係のトピックスを市場、競争と戦略、組織の3部構成で扱う。

目次

第1部 市場

1.市場構造の分析枠組
1.1.1市場構造分類
1.1.2製品差別化
1.1.3市場への参入障壁
1.25つの競争要因
1.3バリューネット
1.4作業の境界
1.4.1産業の確定
1.4.2産業融合
1.4.3産業垂直分化

2.需要の特性
2.1需要を規定する4つの要因
2.2価格効果
2.2.1通常財とギッフェン財
2.2.2需要の価格弾力性
2.2.3価格弾力性の図解
2.2.4価格弾力性を決める要因
2.3交差価格効果
2.3.1交差価格弾力性
2.3.2代替財と補完財
2.3.3製品の競合度
2.4所得効果:上級財と下級財
2.5需要のミクロ的基礎:消費者行動の理論
2.5.1最適消費計画
2.5.2所得効果
2.5.3価格効果
2.5.4スルツキー分解
2.5.5需要法則が成立しない場合
2.6消費の外部性
2.6.1消費の外部性とは
2.6.2古典的な事例
2.6.3最近の事例
2.7ネットワーク外部性
2.8ハード・ソフトの相乗効果
2.9製品の普及と学習効果

3.費用の規定要因 
3.1コスト優位の要因
3.2費用の基礎概念
3.2.1生産期間と費用
3.2.2可変費用と固定費用
3.2.3サンク・コスト
3.2.4機会費用
3.2.5平均費用と限界費用
3.3費用のミクロ的基礎
3.4規模の経済
3.4.1規模の経済と不経済
3.4.2部分加法性
3.4.3規模の経済の要因
3.4.4規模の経済による好循環
3.5経験の経済
3.5.1経験曲線
3.5.2経験曲線プライシング
3.5.3製品ポートフォリオ
3.6補完の経済
3.7範囲の経済

4.市場支配力

第2部 競争と戦略
5.ゲームと戦略
6.寡占と競争
7.競争戦略の分類
8.価格戦略
9.製品戦略
10.流通と販売促進

第3部 組織
11.情報とインセンティブ
12.企業の境界と組織

著者情報

丸山 雅祥(マルヤマ マサヨシ)
1951年大阪府生まれ。1979年一橋大学大学院経済学研究科博士課程単位修得。神戸大学大学院経営学研究科教授。博士(商学)。『日本市場の競争構造』で日経経済図書文化賞

個人読書感想:

経済学は歴史のある科学で、思想市場を深くわかりやすく分析している。
特に価格、需要、供給の各要素を微分で分解することで、明確に議論できるようになる。
微分を利用しているため、従来の利益、コスト、などMerginalあるいはAverageではない値(通常の経営学グラフでは線で表記され)は面積になる。
また、さすか長い学問で、あらゆるグラフと軸で情報を表記分析しているため、グラフの使い方、見方としても良い勉強になった。
ちなみに、微分を使っている点は通常お客さんに対する説明は少し難しいかもしれない。その場合、微分曲線を描いて、Δの変化を使って説明したほうがわかりやすいと思う。

短期
MC 一単位生産量増加で増えるコスト、それ以上に生産するかどうかに判断の根拠
AC 生産のため、獲得したすべてのリソースの平均コスト、つまりストックの平均値(安いリソースもあれば、MC+AFCの高いリソースもある)
AVC 今まで獲得したすべての変動部分のリソースの平均コスト、つまり固定費を除いたストック平均値(安いリソースもあれば、MCの高いリソースもある)
AFC 固定費割る産量で求めた平均値、原価中の固定費コスト部分

長期
LMC
LAC

完全競争の場合

・損益分岐点 経済学でみる、損益分岐点はMC>ACの部分、つまりみんなが増産する市場需要があるが、自分のところ今のMCより低いコストでリソースを獲得した分は儲ける。
・操業停止点 生産をやめる点はMC<AVCつまり、生産しても変動費もカバーできない。MC>AVCであれば、固定費はサンクコストとしてみて、さえ生産すれば、少しずつキャッシュ・利益は入ってくるので、全体の投資をカバーできないが、寿命を延ばす方法のひとつである(固定費はキャッシュアウト発生しなくて、売却も難しいパタン)。MC<AVCの場合、生産すればするほど損になるので、いち早く産量を減らすべき。
今の不況で、一部外資系企業は給料高くて生産性低い社員を切って、その分の業務減らす、という行動はAVCの高い部分の整理とみなしてよいかと思う。
・供給曲線 完全競争の場合、供給サイドの生産者はプライステーカーで、操業停止点からMCの線はSSになる。

・生産者余剰=利潤? 前述のように生産者が低いコストで獲得したリソースを使って、高い市場需要の値段で販売して、得られた△の部分。ちなみに、不完全競争の場合、消費者余剰の部分を食い込んで、台形になる。
・消費者余剰 高い金額を出しても買う人は、市場需要供給のバランスで、安い金額でラッキーに買えた△の部分。ちなみに、価格規制などの場合、生産者余剰の部分を食い込んで、台形になる。
・市場余剰 生産者余剰+消費者余剰
・非効率性 完全競争市場でなければ、非効率性は生じる。社会にとって破損になるのは経済学の解釈であるが、経営学では面白い解釈がある。独占、寡占維持できるのは特定のリソース(政治、特許、環境。。。)に関係ある。しかし、長期に見ると異業種からの挑戦は常にある。どの帝国も永遠に存在はできない。このような場合、日常の鍛えがない安泰な企業、その企業にいる社員はどのようにグローバルな競争に直面するか?よって、常に適度の競争を維持することは社会を強くする方法である。

Unless otherwise stated, the content of this page is licensed under Creative Commons Attribution-ShareAlike 3.0 License