Innovation Management By Yoshikawa Tomomichi

イノベーションマネジメント 吉川

授業情報
開講年度 2009年度
科目名 イノベーション・マネジメント
備考
科目キー 3500022808 科目クラスコード 01
シラバス情報
最終更新日時:2009/04/13 09:27
講義概要  イノベーションを技術革新と訳すことがあるが、それは誤訳である。イノベーションを技術革新のみに限定して考えると、狭い視野のイノベーションしか実現出来なくなる恐れがある。イノベーションとは、技術的なイノベーションも販売に関するイノベーションも社会的な制度変革のイノベーションも含んだ広い概念である。
 真のイノベーションとイノベーション・マネジメントの本質を理解すれば、以下のような問いに答えるとこが可能である。
1)2008年の米国発金融危機に発した、日本の不況の原因は何か?
2)日本の失われた90年代の意味は何か。
3)日本の産業競争力の強さはどこにあるのか。
4)なぜ日本の大企業では、技術はあっても商品化、が難しいのか。
5)なぜ、いまが、中央研究所の終焉の時代なのか。
6)規模が大きいことが、なぜ、プラスに働かないのか。
7)なぜ、1990年以降、日本で、ベンチャーが注目されているのか。
8)いま、なぜ、第三次産業革命と言われる時代なのか。
9)イノベーションは、全世界では起きていない。なぜ、イノベーションは、産業クラスターを中心として、地域偏在しているのか。
10)なぜ、如何なる産業も長期的には、必ず斜陽産業になるのか。
11)21世紀の新に産業競争力とは何か。
12)究極のイノベーションは、産業構造の変革である。
13)なぜ、イノベーションは、地域偏在しているのか。

シラバス

(授業計画)
1.イントロダクション、第三次産業革命とイノベーション
2.イノベーションの概念、シュンペーターの新結合
3.iPod, iTS と21世紀のイノベーションの特徴
4.イノベーターズ、デレンマとそのケース
 James M. Utterback
  Mastering the Dynamics of Innovation.
 クリステンセン
  イノベーターズジレンマ
  イノベーターズソリューション
  明日は誰のものか イノベーションの最終解
  イノベーションの解
5.研究開発型ベンチャー企業に見るイノベーション・マネージメント
6.チェーンリンク、モデルとリニアーモデル
7.プロセス・イノベーションとしてのトヨタ生産システム、マス・プロダクションとリーン生産システムの現象面での比較
8.単能工と多能工、段取り時間短縮、リーン生産システムの体系
9.海外への移転条件、ベネトンの後染め、セル・システム、SCM
10.イノベーション・マネジメントの原理
11.石井工作研究所のケースケース分析発表と講評
12.研究開発型ベンチャー企業のCEOの講演
13.創薬のイノベーション
14.産業クラスターとイノベーション、地域集積の論理;モノ作りの産業集積新製品開発の産業集積、シリコンバレー
15.燕三条の産業集積;新産業創出のメカニズムを学ぶ
教科書 寺本義也、松田修一編、「MOT入門」2002年、日本能率協会マネジメント・センター
参考文献 チェスボロウ、「オープン・イノベーション」、産業能率大学出版社、2003年、(Open Innovation, Harvard Business School Press)
Fagerberg, Mowery, Nelson " The Oxford Handbook of Innovation " 2005
Kline, S. T. (1985)' Innovation is not a linear Process," Research Management 28, P36-45
チャン・キム、モボルニュー、「ブルー・オーシャン戦略」ランダムハウス講談社、2005年(Blue Ocean Strategy, Harvard Business School Press)
クリステンセン、2000年、(伊豆原弓訳)「イノベーションのジレンマ」翔泳社、(The Innovators"s Dilenma, Harvard Business School Press,1997)
クリステンセン、2000年、(伊豆原弓訳)「イノベーションの解」翔泳社、(The Innovators"s Solusion, Harvard Business School Press,2003)
清成忠男(1998)「企業家とは何か」シュムペーター、清成編訳、東洋経済新報社
ローゼンブルーム、スペンサー、「中央研究所の時代の終焉」(西村吉雄訳)1996年、(Engines of Innovation, Harvard Business School Press)
ティッド、ベサント、パビット、「イノベーションの経営学」(後藤晃、鈴木潤訳)NTT出版、2001年 (Managing Innovation, John Wiley & Sons)
野口悠紀雄、「モノづくり幻想が日本経済をダメにする-変わる世界、変わらない日本-」ダイヤモンド社、2007年
吉川智教;「研究開発型ベンチャー企業の産業クラスター;モノ作りと製品開発の集積の論理の違い、-マーシャルとポーターの産業集積論の限界-」ベンチャー・レビユー、NO2, 2001年8月
吉川智教;「iPod-iTSで読み解く21世紀のイノベーションの本質」P102-105
早稲田ビジネススクール・レビュー VOL7, 2008年1月
Yoshikawa,T. ( March 2006 ) "The knowledge of actors to lead Innovation;Innovation Process in Cluster of US, Finland and Japan, ", [Rethinking Competitiveness Policy and Society in a Globalizesed Economy], Innovation Pressure International ProAct Conference,2006 March 15-18, Tampere, Finland,
Yoshikawa T., ( May 2007 ) " The Perspective from Japan- Innovation Change; from Process Innovation to Product Innovation", Conference on Japan's Role in the Emerging Asian Network Economy, Leiden University, Amsterdam, Holland, 24 May 2007
Yoshikawa, T. ( Jan 2008 )" Innovation and Industrial Clustering Policy in Japan-Some cases in Japan and other countries-" Global Management of Technology International Conference, Seoul, Korea, Jan, 30, 2008

成績評価方法
1)授業での参加度;30%
2)中間、期末考査;10%
3)レポート提出 ;60%
特に出席は取りませんが、授業でのコメント、ディスカッションへの参加を授業での参加度と考えます。

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